GLAY がメジャーデビューした翌年1995年、5枚目のシングルとして発表されたのがこの「ずっと2人で…」だ[「GONE
WITH THE WIND」とカップリング]。今聴くと、TERU の歌い方もだいぶ違い、粗削りな感じがするが、それだけ初々しいまっすぐさも感じる。
また、この歌は
TAKURO が TERU の姉の結婚に際して贈った曲で、メジャーデビュー前から歌われていた、GLAY にとって「歴史と伝統」のある曲でもある。何度聴いても、その味わい深いメロディと、ダイナミックな構成に感動する。J-POP
のバラードとして最高傑作のひとつだと思う。
実は、私がこの曲に支えられたのには、曲のよさの他にプラスαがある。
この歌は、私のパートナーがきわめて得意な歌で、カラオケへ行くたびに歌ってくれて、歌うたびにうまくなり、ついにはうっとりして聞き惚れるようになり、それで曲自体も好きになったのだ。
とりわけ、後半部、「ずっと2人で生きていこう 幸せになれる様に」から英語のブリッジへ移る部分は、ありったけの声を振り絞って感情を込めて歌ってくれる。そこに至るまでに少しずつ盛り上がっていき「大爆発」という形になるので、否が応でもこちらの気持ちは高まる。
それに、好きなひとを大事にして、ふたりで愛の始まりの激しさを心にしまいつつ、穏やかながら自分たちらしく生きていこう、という歌詞そのものが、パートナーから私に向かって歌われているようで、思わずその温かさにひたってしまうのだ。
とりわけ思い入れが深いフレーズがいくつかある。 「言葉は時として 傷つけてしまうけど」……本当にパートナーとは言葉で傷つけあってしまうケンカをたくさんしてきた。正確には今もし続けている。「こりない2人」である。
「あの日あなたに出逢わなければ 愛しさも知らないままに」……出会いというのは不思議だ。どうやってたぐり寄せた偶然の糸なのかわからないけれど、すでにパートナーと知り合ってあと3週間で21年になる。たくさんのことを学んだ。
「切なさも恋しさも何もかも 分け合いながら夜を越えて」……つらいことを半分にして、うれしいことを2倍にして、という言い方は、月並みだけれど真実だ。ひとりではたぶん、矢尽き刃折れていたと思う。現在のしんどさも大きく支えてもらっている。
そして最後の英語部分の意味、ひとりにしないで、たくさんのほほ笑みをありがとう、自分の気持ちはもう変わらないよ……。私もパートナーに捧げたくなる言葉だ。 人生もいよいよ後半部に入り、パートナーを含んで、人間のつながりが自分を支えてくれていることをひしひしと感じる。そんな私を支えてくれている人たちに対して、「ありがとう」という言葉が最近やっと素直にでるようになった。
リスペクトしていない人間に「ありがとう」と言うことを強制されても、空しさが残るだけで、リスペクトし合える関係がないのに「ありがとう」と言えと語る道徳家が大嫌いだった。しかし、内面から自然に出てくる「ありがとう」ならステキだ。
そして愛する人へのリスペクトと優しさに満ちたこの「ずっと2人で……」が大好きだ。