▼バラエティが人間を壊す その1
[2005年09月22日(木) ]

 

 今リアルタイムで『水10! ワンナイR&R』(CX系)を見ている。落武者(ゴリ)が、タイ陸軍の特殊部隊の訓練に参加している。

 全てが台本に基づいたドラマでないとしたら、軍隊とは人を殺すための集団である。全ての訓練は自分ができるだけ生き延び、敵をやっつけることが目的だ。そこに参加する、ということの意味が全く問われずに、厳しい訓練に苦しむ落武者を笑っているだけでいいのか。

 落武者にとっても、無理やりサソリを食べさせられたり、高所から沼に落とされたり、危険なことばかりやらされる。ひとつ間違えば自分の身を大きく傷つける。

 常人なら途中で逃げ出すか、精神がおかしくなるだろう。銃を撃つのは人を殺す訓練をしていることになる、とわかっているのだろうか。そこまでやらないとタレントはつとまらないのか。全てフィクションであると言ってくれ。

 お笑いは、しっかり練った「ネタ」にもとづく「語り」が基本の「芸」ではなかったのか。 続いて、ゴリエ対くずの対決コーナー。オリコン本社前でランキング発表を大げさにやっている。ゴリエが勝って喜ぶわけだが、なぜか罰ゲームはなかった。とりあえずゴリエがおおぜいのチアガールを従えて「Pecori■Night」を歌ったあと、「ゴリエ杯争奪・全国チアダンス選手権」開催が告知されて終わってしまった。

 「当初から、くずとゴリエどっちが売れるか、負けた方が罰ゲームを決行するという約束になっていた。今回のワンナイ45分スペシャルでは、その罰ゲームの模様を放送する。惜しくも負けてしまうのはどっち? 罰ゲームをさせられるのは一体誰なのか……!?」とフジテレビのサイトにあるのは来週のことなのか。何かあったのだろうか。

 いずれにせよ、今までもいろいろあったこの『水10』、身体にとても悪い。

 

  05年9月29日バラエティが人間を壊す 》