ライブ映像4曲と小林武史と堂本剛の対談を軸に、小気味よく構成されたドキュメンタリー「ENDLI☆TV」は、しっかりとENDLICHERI
☆ ENDLICHERI の「今」を伝えていた。
私は4月3日深夜にフジテレビで見たのだけれど、放送日も違うし、完全に全国ネットはされていないということで、より多くの人にENDLICHERI
☆ ENDLICHERI に「触れて」もらうためにも、たくさんの局で放送してほしい。
このドキュメンタリーがどうしてわかりやすいかというと、「キーワード」を鮮明に打ち出す編集をしているからだ。
それは出てくるメッセージを文字として画面に出していることだけではなくて、ライブ映像と、タレント/ミュージシャンのコメントと、小林武史&堂本剛の話とを整理して並べてあって、1時間通して観ると、おぼろげに
ENDLICHERI ☆ ENDLICHERIのメッセージを「感じる」ことができる巧みな作り方をしているということだ。
ファンキーで会場と一体になっている「Blue
Berry」から始まる。自分の胸の中に在る宇宙を感じ、それを気付き合い命の意味を打つけ合う、という空間を提供している
ENDLICHERI ☆ ENDLICHERI が、いきなり体感できる。そこにはいろいろな色合いの「愛」が在る。「縁」ができる。
ここでケリーさんはそれを説明する。2006年、100回もライブをやる中で見えてきたこと。すさまじくいろいろなこともあったけれど、オーディエンスやバックのスタッフ/ミュージシャンの「愛」から「いろんな君を見てみたい」という起爆剤をもらい、音楽を通して、「知らない自分、弱い自分、強い自分、かすかに輪郭の見える自分」などいろいろな自分がわかった。
「ジャンルとか、性別とか、一人ひとりの違いとか、細かいことを抜きにして、その時その時間にあるものを確実に捉える、それは生きてることを体感することでもあって、何回もそれを味わった」。 この後に新曲「傷の上には赤い
BLOOD」のライブが続くと、「自分」の多様さを、周囲の「多様さ」と共に味わい楽しんでいるケリーさんが目に飛び込んでくる仕掛けだ。
そして、多くの人の想いを感じて、自分の想いを伝えよう、という発想の原点に生まれ育った奈良がある、という説明の後、生きることをやめようとさえ思った絶望を音楽に救ってもらった、という話が入り「Rainbow
Wing」を聴き入る展開になる。
ミュージシャンは言葉よりも、想いやエネルギーを放ちたい、と語って最後の「ソメイヨシノ」になる。「東京環境会議」で小林武史のキーボードだけで歌ったものだ(他の3曲はお台場/「東京環境会議」はこちらの記事を参照)。 何としてもこれを聴きたい、いつ出てくるかいつ出てくるか、と思っていた私の心を見透かすように、「ソメイヨシノ」でドキュメンタリーを終わらせる。小憎らしい作りだけれど、ENDLICHERI
☆ ENDLICHERI を印象的に受け取ってもらい、何かを
「感じて」もらうためには、見事な構成というしかない。
最近何回も思うのは、横浜市はみなとみらいでライブを始めた頃会場で見たケリーさん、当時テレビや雑誌やジャケット等で見たケリーさんと、表情がだいぶ変わってきたことだ。さりげない余裕と、自信がひそむようになった。
それを裏付けるかのように、コメンターとして登場したタレント/ミュージシャンたちが
ENDLICHERI ☆ ENDLICHERI の音楽を好意的に語ってくれた。それも面白いことに、一人ひとり語り口や切り口がまったく違うのだ。それがケリーさんの言う「宇宙」のすり合わせの結果であることは明らかだ。
これから
ENDLICHERI ☆ ENDLICHERI がどのくらい順調に大宇宙を泳いで行けるのか、ハードルはまだいくつもあることだろう。とは言え、アーティストとして少しずつ認知されつつある「現在進行形」をドキュメンタリーはしっかり描き出していた。
その「現在進行形」を共有できることはとてもうれしいことだ。さらにさらにENDLICHERI
☆ ENDLICHERI を「感じて」「触れて」いきたい。