こういう企画は大好きだ。w-inds. のデビューシングル「Forever
Memories」から最新シングル「ハナムケ」まで全21曲のシングルの発売順メドレー[CD+DVD]。価格も2100円。ひたすら楽しいしうれしくなる。
まず
CD を聴くと、w-inds. が2001年3月のデビュー以来、実にコンスタントに活動していることがわかって感慨深い。
2001年から、毎年のシングル発売枚数は、3枚・4枚・3枚・3枚・4枚・3枚、そして今年「ハナムケ」。見事なくらい着実なペースだ。
そして当たり前のことだけれど、それがなかなかできないのが人間なわけで、1曲ごとに彼らが成長しているのがわかるのが「うれしさ」の源のひとつだ。
慶太のヴォーカルにしても、こんなに変わってきたんだ、と感心する。初期の幼ささえ残る歌い方から(声変りしているのだろうか?……ご存知の方教えて下さい)、どんどん芯が通ってきて、自信がついてきて、安心して聴ける安定感を持つようになる。特に「Long
Road」から「四季」のあたりと、ソロ活動後の「ハナムケ」で大きな飛躍があるように感じた。
もちろんデビュー時から、3人が今につながる才能を持っていたことも確認できる。どんなリズムでもメロディでも、自分たちなりに消化して表現しているのはただものではない。
ヒット曲フリークとして人生の半分以上を過ごしてきた私としては、メドレーものはなじみの曲が次々出てくるだけでウキウキ気分になってしまうのだけれど、そうは言っても、つなぎ方がダサいと楽しさも半減してしまう。
その点このメガミックスは、それぞれの曲調やリズムやうまみをしっかりつかんでいて、さらに次第にエンディングへ向けて盛り上げていく展開も巧みで、なかなかのできだ。特に「TRIAL」〜「ブギウギ66」〜「ハナムケ」と続くラスト3曲は、かなり曲の「気」が違う3曲を余韻を残しつつ、スピーディかつなめらかにつないでいて、うるっとしてしまう。 CD
には、21曲メドレーを短くした「Radio Edit Version」とボーナス・トラックとして「Fire Flower」も収められているのがまた「うれしい」。
「Radio
Edit Version」はその名のとおり、これをラジオでガンガンかけてもらって、w-inds. の魅力を多くの人に知ってほしいと願う。
「Fire
Flower」は、ロックとヒップポップを見事に融合させた「激しさ」のある曲で、ライブに絶好の曲だ。2005年のライヴツアーだけで歌われた「幻の曲」とのこと(間違っていたら教えて下さい)。「ジャンル違いも年代も関係ない」と言い切ってくれるのがまたまた「うれしい」。
そして
DVD がまた、圧巻ですばらしい。こりゃ必見だ。シングル21曲の PV を、これ以上はない、というくらい巧みでなめらかに編集している。
それぞれの
PV がまた魅力的で、3人の魅力を引き出すように工夫がこらされているから、どこを見ても飽きないし、楽しめる。
いきなりのデビュー時の映像を見ても、パフォーマンスはかなりカッコよく、当初から才能にあふれていたことを再認識する。CD
で確認したことを、さらに DVD を見て「納得」の領域に達する。この6年間の3人の成長の早さとすばらしさが手に取るようにわかる。
体形や顔立ちが変わってくるのは当然として、多少思い入れをまじえて言えば、3人の表情が時間を追うごとにどんどんステキになってくる。初めはこの業界の常として、どこか「作られたもの」が混ざっているのだが、次第にひとりの人間として自立していき、「自分」を主張する顔になっていく。「おっかなびっくり」から、リーズナブルな大胆さも持てるようになっていく。
音楽やダンスをものすごい勢いで好きになっていき、さまざまな苦しい経験も経て、より優しくたくましく、そして豊かな表情を見せてくれるようになる。この
DVD だけからも、人間のドラマがチラリとではあるがかいま見られるのだ。そんな「進化」を見られるのはこの上なく「うれしい」。 w-inds.
を知るためには最適の1枚だ(2枚か……)。すべての曲を聞き返し、すべての
PV を見たくなる。くり返す。こりゃ必見だ。