アルバム「Journey」を聴き始めて2日目に入っても、輝きは増すばかりだ。
最新シングル「ハナムケ」がアルバムの最後におかれているのが印象的だ。別れをあえて「笑顔で」という難しいコンセプトを、今までとひと味違う曲調で、「ため」と「こく」のある新しい歌い方で、そして自然体な振り付けで表現する。
前作「THANKS」で、これまでこれたことをファンや周囲に感謝し、この「Journey」で次なるステップへ新しく旅立つ、と言う(「ORICON
STYLE」インタビュー)彼ら3人自身へ向けても「はなむけ」になっている曲だ。この新生面満載の曲からさらに飛躍が始まりそうだ。
昨日見られなかった「Journey」に付いている
DVD の方を見た。アルバムへのコメントでは、ライブ・パフォーマンスを意識している、という発言が印象に残った。確かに、これだけ様々なメロディとリズムがあると、どの曲も、ライブでダンスを伴ってどう再現されるかがとても楽しみだ。
さらに私が注目したいのは、アルバムの楽曲を語る時の3人の思い入れの強さだ。何度も「この曲はいい」とか「好きやで」とかの言葉が入り、1曲1曲を心から愛しているのがわかる。こんな気持ちで歌われる歌たちも幸せ者だ。
映像やジャケットを見ていると、ほぼ同い年なのに、ひとり抜け駆けして、やたらデカくなった橘慶太と、小柄な緒方龍一・千葉涼平とが妙にアンバランスに見える。
しかし不思議なことに、では慶太がひときわ目立っているのかというと、そうでもない。インタビューでは明らかに龍一が中心だし、涼平も鋭いことを語る。3人の存在感は見事なまでに対等なのだ。
そうなってくると、体形のアンバランスが逆にいとおしく見えてくる。慶太を龍一と涼平で守っているように見ることもできるし、3人がきわめて仲がいいようにもとれる。
いつも書いているように、こうしたことはあくまで「推測」でしかないことを心にとめなければいけないのだけれど、少なくとも言えることは、彼ら3人が確実に温かい「気」を発していることである。「いとおしい」とはそういう意味だ。
インタビューとしては、様々なグループの中ではおとなしい方だろう。決してはしゃぎすぎない。しかしその穏やかさ……いやもう「落ち着き」といっていいだろう……が、私たちを優しい気持ちに導いてくれる。 録音風景やジャケット撮影風景を見ると、さらに彼らのまた別の「気」も「感じる」ことができる。
何をやるにしても、3人とも「一途(いちず)」なのだ。真剣に取り組み、決して手を抜かない。何よりも目線が厳しく、鋭い。その姿勢が、CD
やライブに表れている「輝き」につながっていく。
真面目すぎるかなとさえ思う、誠実な「気」を感じられてうれしい。
それは彼ら3人の言う「ありがとう」が本気であることからもわかる。口だけで、言葉だけで「ありがとう」を言うなら誰にでもできる。卒業式で「仰げば尊し 我が師の恩」と歌っても、失礼な教員に対しては全く感謝などしていないのと同じだ。
心から「ありがとう」と言うのは、本当に難しい。ちなみに、WaT
もそんな「ありがとう」を言えるアーティストのひとつだ
そして DVD の最後に彼らは、スキルをアップさせながら、ゆっくりあせらずw-inds.
のスタイルを作っていきたい、ステップアップしていきたい、と語った。
この「ゆっくりあせらず」がいい。自分らしさは簡単に見つけられるものでもない。しかし見つけようという意志と希望があれば、時間がかかろうと必ず見つかっていくものだ。w-inds.
らしさへ向かって、勢いよく旅立ってほしい。