▼w-inds. のライブを見たくなる DVD
[2007年01月29日(月) ]

 

 歌(声)に「ダンス」という「武器」が加わると、こんなにも表現力が上がるんだ、ということを、恥ずかしながら再認識した。

 DVD「w-inds. Live Tour 2006 〜THANKS〜」を見た。アンコールを含めて20曲のそれぞれに対して、それぞれの曲に込められた想いがさらに伝わるように身体で表現する、というのは並みたいていのことではない。椅子を巧みに小道具に使ったり、ステー
ジを縦横に行き来したり……表現の工夫やデザインが練りに練られている。

 そして w-inds. の3人は最後の最後まで決して手を抜かない。それは当然のことなのかもしれないが、それをやれるパッションとテンションがあることに素直に感動する。そこに明確に3人の「意志」を感じたから。

 そしてそれぞれの曲を3人のコラボレーションで表現していることがまた強力だ。想像もつかないくらい厳しくたくさんの練習の成果だろうか、3人の身体の動きは、微妙に違いを見せつつ、見事なまでにシンクロしている。

 この、3人が違いながらシンクロしているところが、説得力を増すところで、違うストリームから、3人に共有されたある「水」が流れてくれば、その「水」はごく自然に私たちののどを通って身体に染み透っていく。伝わる力が3倍以上になるのだ。

 その「シンクロ」の深さを証明するように、時として3人が笑顔でお互いに見つめ合う。「うまく行ってるか? 行ってるよね」と確認しているかのように。なぜかそれを見て、とっても幸せな気分になれる。 中盤のハードなナンバーが続くところは圧巻で、これだけエネルギーを全開にして踊り続けることから、3人の「誠意」すら感じる。本物であり、実直であり、向上をやめない姿がすがすがしいからだろうか。 その直後のバラードのメドレーで、3人の表現は真骨頂を迎える。バラードに的確に振りをつけて美しい表現をするのはもっとも難しいと思うからだ。

 先日、NHK テレビの「POP JAM」で「ハナムケ」のパフォーマンスを初めて見て感動した。なるほど、こんな風に身体で「ハナムケ」の世界を表せるのか……絶句するほど考え抜かれた動きだった。

 そうなって来ると、数少ない歌だけで聴かせて動きがほとんどない曲たちがまた活きてくる。歌だけで伝えようという必死さがまた、私たちの胸をつまらせてくれるからだ。 ライブの途中でスクリーンに映るメッセージにも驚いた。「なぜ人は傷つけ合うのか」「思いやりをなくしたこの世界を 僕たちは救いたい」というテーマで、地球の様々な姿とともに言葉が次々と現れる。

 それらのメッセージが「お題目」に終わらずに、私たちの中に届くのは、3人がシンクロしつつ身体を張って伝えようとしているからだ。w-inds. の歌にエンパワーメントされる人が本当にたくさんいる理由がわかった気がした。

 そうだ、ラフなタンクトップ+ジーンズから、スーツ系まで、歌のブロックごとに変わるスタイルもそれぞれカッコよく、3人の表現をたくましくフォローしていたっ
け。

 いろいろ書いてきたけれど、とにかくひたすら楽しいライブだ。3人も会場もスタッフも、心から楽しんで張り切って進めているのがガンガンに伝わってくる。何しろ眠いのに2度見てしまったほどだ。

 3人が手がけるジャンルの広さにも改めて感心した。ロック、フォーク、ヒップホップ、レゲエ、R&B、そして「ポップ」! これに歌とダンスが複雑に組み合わさってくればもうカラフルでハッピー!

 シングル曲を中心に全ての曲が印象に残った、と言っていいけれど、「IT'S IN THE STARS」「TRIAL」「十六夜の月」「四季」「Long Road」はとりわけ圧巻で、そして「風詩〜KAZAUTA〜」「空から降りてきた白い星」は極め付けの美しい曲だった。 特典 DVD も充実していた。バックステージでも、保育園でも、3人の誠実さや優しさが誰にもはっきりとわかる形でにじみ出ていた。心底真面目そうな涼平、実は強気の慶太、ムードメーカーの龍一、3人の性格がうまくバランスをとっていて w-inds.の世界が創られていることも感じ取れた。

 3人とも「スター気取り」がないところがいい。穏やかな語り口で、決して妙にとんがっていたりしない。そんな側面を、保育園で子どもたちと1日過ごすところや、涼平のダンスレッスンで見せてくれる DVD の構成もなかなかで、買ってよかった、と思った。

 こりゃあもう、ライブに行くしかないっすね。

 

  《 2006年09月7,10,11日w-inds. 2007年03月08日w-inds. 》