それにしても、WaT の新曲「ボクラノ Love Story」は、思いっきり直球で来た。何だかすごくうれしい。
失恋してヤケになるけど希望もある「Hava
Rava」も最高に楽しかったし、初めて曲をふたり以外にまかせた「Ready Go!」も活き活きと歌っていたけれど、めいっぱい本格的なラブソングを歌われたら、たまったものではない。
ふたりとも、声の出し方・メロディの追い方・表情……どれをとっても恋愛の切なさを見事に表現できるようになっている。この1年で、こんなバラードを曲として作り、これだけ心に響くように歌えるようになるってことは、ふたりの努力が並々ならぬものであることを示している。
すでに何回か書いているのだけれど、この年齢で、ここまで仕事に対して、また自分を表現することに対して、しっかりと向き合って、謙虚に「勉強」し続け、ひたむきに活動できるのはすばらしい。やっぱりそこがウエンツ&徹平の最大の魅力なのだ。
その魅力は「2006世界バレー」オフィシャルサポーターをやっている時にも現れていた。若いアーティストがスポーツの試合の中継にかかわることには批判的な意見が多い。選手も練習や試合前に無神経なインタビューなどでペースを乱されることがあるという。
しかし私はテレビで見ていて、ふたりのコメントに驚いた。冷静ではしゃぎすぎず、しかし感情もじゅうぶん表現し、何よりも内容が実に的確なのだ。手抜きをしている評論家より、よほど勉強していることがわかるコメントだった。
バレーボールの用語をきちんと使いこなし、作戦上の技術などについてもしっかり説明できていた。試合途中でもその見る目は真剣で、選手たちに温かく、ほどよい興奮で、素直な感想と鋭い戦評をしていた。今まで観たサポーターあるいはレポーターの中で最高だった。でもこういう仕事を引き受けるなら、それは当たり前のこと。でもそれができないタレントが多い中で、当たり前のことを当たり前にやるふたりの力
に感心した。
新曲へ戻ると、徹平が恋愛にほんろうされる様子を切々と歌った後、ピアノを弾きながらウエンツが徹平に、だいじょうぶマイフレンド、と言わんばかりにきっちりと歌い込んでいく。歌詞の展開とは別にそんな受け止め方ができる構成だ。
そして全体を通して、ふたりが支え合って歌っていることが強く伝わってくる。それがこのラブソングをさらに強力なものにしている。
特にサビは見事で、ふたりが重なり合うようにたたみかける部分など、聞きほれてしまい、もっとリフレインしてくれ、なんて叫びそうになる。ふたりの波長が気持ちいいほどぴったりと合っている。気合の入り方も並ではない。本気で好きな人に向かって届くように歌っている。 曲の終わり方は哀しいけれど、強い愛は「続く 永遠に」と高らかに歌い上げて、愛への希望を与えてくれる。
6分近い大作なのだけれど、長さを感じさせない壮大な曲になっていて、全く中だるみとは無縁に、気持ちよく聴き通せる。ふたりのものすごい成長を感じる。そしてやはり、ふたりが作った曲の方が、息も合うし、ふたりの声が重なりあう時に、より感動が生まれるように感じる。
たぶんチャートで1位にはなれないのだろうけれど、このバラードは「記憶に残る名曲」に値する。カップリングの「自転車」も負けないくらいの流れるような、やはり切ないラブバラード。聞き応えじゅうぶんの1枚だ。 そしてもうすっかりおなじみになった、通常盤のみの「隠しトラック」、「モレアモーレ」。前作では、ハガキの質問に答えていくラジオ番組のようになり、手慣れた「プロ」風のトークになってしまった、と書いたが、一転してハガキがなくなり、ホンネ炸裂「素顔」満載に戻った15分。
ウエンツが車の免許を取れない話から始まって、今年の反省を経て、来年へ向けてのご挨拶で終わる。「モレアモーレ」のかけ声がかかる前に、アメをなめ終わらないウエンツとそれにややいらいらする徹平のプライベートトークまであって、「僕のキモチ」のトーンに完全に戻った。
ウエンツは途中でマジで落ち込むし、徹平は大阪弁をいつも以上に丸出し、ふたりで「オネエ言葉」による
DVD の宣伝までやってくれる。原点に戻ったみたいで、ふたりの「素」がちらりと見られて、ホッとするトークだった。
ふたりで作るからふたりにはまる楽曲、ホンネを語るトーク、WaT
はこうでなくっちゃ!