▼関ジャニ∞、横浜アリーナで舞う[中編]
[2007年05月07日(月) ]

 

 5月5日に横浜アリーナで行われた関ジャニ∞のライブレポートを続ける。

 このところ人間関係や友情がキーワードになったライブやドラマが、少しずつ増えている気がする。大野靖之さんや ENDLICHERI ☆ ENDLICHERI のライブでもそれがしっかりテーマのひとつになっている。

 関ジャニ∞も例外ではない。

 今回の「エイトレンジャー」(ライブ恒例の、メンバーが自分のカラーを持つエイトレンジャーに扮して寸劇をやるコーナー)は、かなり今までと趣を変えた。

 ブルー(安田章大)が好きな女の子(マネキンだったりする)に告ることになる。何とか自分の気持ちを伝えると相手からはOKの返事。有頂天になるブルー。「とうとうやったな!」と周りも大歓び。

 しかしブラック(横山裕)は、その女の子がブルーを裏切っているのを知ってしまう(相手がジュニアの小さい子なのでまたおかしい)。不器用なブラックはそれをうまくブルーに伝えられず、イエロー(錦戸亮)とケンカになってしまう。

 途中、好きな子にどう告るか、即興で演技するコーナーがはさまってこれがまたむっちゃ面白い。それぞれの個性が正直に現れる。無理に飾らず、しかし多少の受けは狙ってという微妙なミックスが好感を持つ。

 結局ブルーはその女の子と別れを告げ、ブラックとイエローも仲直りし、メンバーの友情は変わらない……とテンションが上がって終わる。

 さらにこの「エイトレンジャー」とは別に、いじめられている子どもを「丸山先生」(丸山隆平)が助けるミニドラマと組み合わされた曲(丸山ソロ)もあり、人と人との優しいつながりの大事さがかなり意識された演出だ。もちろん関ジャニ∞の曲すべ
てに、人に優しく、希望を持って生きるメッセージが入っているのだけれど。

 こうしたストーリーはえてして「くさく」なってしまう、というか関ジャニ∞がやってもけっこう「くさい」。でもそれがメッセージとしてしっかり伝わってくるのは、現実の関ジャニ∞のメンバー間の人間関係の温かさがドラマと渾然一体となっている
からだ。

 つまり、ストーリーはくさくても、彼らを見ていると、お互いに友情を発揮し合っているだろう、と容易に想像できるのだ。ここまで大げさではなく、もう少し自然にだろうけれど。作り話の中にリアルさが混ざるから、私たちは友情の大切さを身体で感じることができる。

 どんなに感動的でウソくさくなく構成された友情物語でも、演じるタレント同士の仲が悪いと絵空事に見えてしまう場合の逆だ。今どきこれほど友情にあつい集団に出会うだけでも心が元気になる。

 友情というのは、お互いの個性を大切にすることでもある。今回は、新しい6月発売のアルバムにも入るという、メンバー全員それぞれのソロを聴くことができた。

 このソロ曲が、実に上手にそれぞれの個性を引き出していて、いい味出しているんだなぁ、これが。声質も歌い方も感情の込め方も、みんな違う。それがイッキに際立ってきた感じもする。とっても楽しいばかりか、幅の広い音楽集団として着実に成長していることがわかってとてもうれしかった。

 だからこれまで、ケンカやトラブルもあったことだろうけれど、その個性的なメンバーが「関ジャニ∞」としてまとまっていっしょに表現活動をしているのだ、と思うと、静かな感動を覚える。

 個人的には、渋谷すばるの歌が強く印象に残った。高音も伸びやかで、明るい歌でも切々と歌うバラードでも、声の張りがとても心地よく響く。彼も尊敬しているというケリーさんの世界とも共通するものを持っていると感じた。他のメンバーともども、どこまで歌唱力が伸びていくのか、とっても楽しみだ。

 そしてこの記事が「中編」なのにはわけがあり、ohana ちゃんのご厚意もあって(本当にありがとうございました!)、自分で取った分(6日)と合わせ2日続けて、5月5日の1部と5月6日の2部の2回、関ジャニ∞ライブに参戦できることになったのだ。

 5日が2階席だったのに対して、6日は3階席。高くなった分、ステージ全体が見渡せて、別の爽快感がある。まだ私は関ジャニ∞ライブ3回目だというのに、もう、「なつかしい場所」へ帰ってきた気がする。会場に入ったとたんにすーっと落ち着くのだ。そんなライブに出会えたのはことのほかうれしい。

 5月6日、16時30分、再び定刻通りにライブは幕を開けた。自宅へ戻ったのが22時なので、6日の詳細は[後編]へ譲るが、興奮が少しだけ落ち着いた6日のライブの感想を少しだけ。

 スクリーンに映し出される関ジャニ∞のメンバーの顔が、ことのほか輝いて見えた。表情が活き活きとしていて、ライブに全力を込めつつも、肩ひじを張り過ぎず、心から楽しんでいることがこの日もよーく伝わってきた。

 その輝きは、かつてテレビだけで見ていた時よりも、12月のライブよりも、さらに前日よりも、増しているように感じた。人間は自己表現を磨いていくと、内面が表にも出てくるものだ。人間として、そしてスターとしての「オーラ」がぐんぐん強力になっているのがめっちゃ頼もしい。

 横浜アリーナの4日・8回公演の最終(横浜での「オーラス」)は、ハプニングの連続だった。その“締め”が、何と何と、トリプルアンコール。ダブルアンコールが終わって誰も帰ろうとしない。「これで絶対終わりね」と横山裕が会場に約束させて「サムライブルース」へ。アリーナのエイターのほぼ全員が歌って大合唱。メンバーも「すげーよ」を連発して感動していた。

 そこへ至るプロセスは……ごめんなさい、明日ゆっくり! [つづく]8→1