▼関ジャニ∞、横浜アリーナで舞う[前編]
[2007年05月06日(日) ]

 

 5月5日、13時に10分ほど前、横浜アリーナ内の会場に入ると、宇宙船の中に足を踏み入れたかのように、ふわっとした「気」に包まれる。明るい空間がワクワクしているのだ。

 ライブはツッパリが着る特攻服を身にまとったメンバーがバイクで現れ、いきなり「ズッコケ男道」で始まる。まず感じるのは、メンバー全員で歌う時の迫力だ。スタートからエンジン全開だから、強くたくましく、身体にメンバーの声がガンガン響いてきてとても心地よく響くのがうれしい。ソッコーで「気分は最高」だ。

 それでいて、刺激的というだけでなく、自分の中のいろいろな「しがらみ」から自分が解き放たれていく。穏やかな気持ちにさえなっていく。この「ちから」はなんだろう……。

 答はすぐに出る。 まずメンバー一人ひとりの表情が、とにかくうれしそうなのだ。自分なりにめいっぱい表現しようとしているのが楽しくて仕方がないという気合いが大量に伝わってくる。加えて、いっしょにパフォーマンスしているメンバーたちをフォローし合おうとしている雰囲気もあるから、さらに温かいムードが広がる。

 いっしょに観た ohana ちゃん[ブログはこちら]の説明を借りれば、ミスがあるとお互いに上手にカバーし合い、また助けられた方はそれを感謝している光景がたくさん見られるという。実際 MC にもそういう意味の発言があった。

 この結束力が、広い横浜アリーナでも直接伝わってくるのだ。メンバーみんなが他のメンバーあっての自分であることを心の底から理解していて、尊重し合っている。それに引きずられて私たちも仲間を尊重し合うことの大事さを感じる。こんなグループはそういるものではない。

 もうひとつの「ちから」の源はオーディエンス、つまりエイターたちだ。ライブが始まる前からもう一体感ができ上がっていて、関ジャニ∞のメンバーたちの結束をそのまま鏡に写したかのように、「気」を一にして応援している。主な曲はメンバーたちといっしょにみんなで大合唱できる。

 ライブへ来て、アーティストだけでなく、オーディエンスを眺めているだけでもいい気分になれるなんて、これまたそうあることではない。

 再び ohana ちゃんによれば、8人のメンバーの誰がいちばん好きで入れ込んでいたとしても、ひいき以外のメンバーに対してもきちんと配慮を欠かさないエイターが圧倒的だという。例えば、ひいき以外のメンバーが席の近くに来て手を振ればもちろん大歓びで応える。エイターも他のメンバーあっての(そのひいきの)メンバーだ、ということを良くわかっているのだ。

 だから、一般のライブでは危険でさえある、スタンド席の中を平台に乗って一周して、途中でスタンド席内の階段からステージまで降りてくる、なんてサービスも可能になる。

 横浜アリーナのセッティングも、12月にも書いたように、ステージの周囲に観客席にぴったり寄り添うようにだ円形のコースが作られ、ライブ中、そこをメンバーが何回も行き来してくれる。「こっちを指さして下さい」「私たちに手を振って」と書いてあるようなウチワに対しても、できる限りそれに応える。これまで苦労してきたアーティストだからこそできるサービスだ。

 思わず語ってしまったけれど、ライブは本当に楽しい。定刻にぴったり始まって(これもすごい!)、あっという間の3時間。中味も濃い。関ジャニ∞は本当に何でもできるなぁ、とつくづく思った。

 なんてったってまずは歌。6月発売のニューアルバムからの曲も含めて、ロック、フォーク、ヒップホップ、R&B(ブルース、ファンク……)、歌謡曲調……とオールジャンルがこなせる。

 そしてダンスとパフォーマンス。全員が会場中を飛びはね駆けめぐるので、相変わらずどこに目を置けばいいか困る状況。なにげに面白いしぐさを混ぜていたりするけれど、けっこう見逃してしまうほど。

 アドリブでどうなるか観ている方がひやひやする MC(エイトレンジャーは後述)。5日でいうと、前日の夕食について……渋谷すばるは先に寝て、横山裕はおかんを食事につれて行き、残り5人はいっしょに会食。これだけのことを面白おかしく15分はしゃべれるのだから驚異的。「お笑い」の要素もたっぷり含んだトークはいっそう磨きがかかっている。

 メンバー同士をからかう場面もあるけれど、限度を決して超えないし、行き過ぎそうになると誰かのストップやフォローが見事に入る。そこには抜群の信頼感がみてとれる。

 こんなにいろんなことがつめ込まれていて楽しくないはずがない。おまけにこの日はライブを見に来ていた、NEWS とテゴマスのメンバー、増田貴久がステージ上へ。錦戸亮(関ジャニ∞と NEWS の両方に属している)が関ジャニ∞と NEWS とでどう違うかで盛り上がり、増田も「しゃべってると腕組みして見ていてこわい」と錦戸を評したりする。

 横山裕が「絶対に NEWS のライブを絶対に見に行くから」と言うと、周りが「絶対、って言わない方がいい」「そや、どんな仕事が入ってくるかわからへんし」と突っ込む。でも横山は「いや、絶対!」。とにかく楽しい会話をしてくれる。

 トークの自然さは、身近さとスター性の両方をエイターに見せてくれる。同じ人間として生きている、でも彼らの商売はアーティストであることもよく知れる、すごくいい距離のとり方だ。[つづく]8→1

 

  《 2007年4月12日関ジャニ∞ 2007年5月7日関ジャニ∞》