関ジャニ∞「ズッコケ男道」の CD を買って改めてじっくり聴いた。
まず今まで以上に、関ジャニ∞の歌い方に力強さを感じた。人気が着実にアップしている中で、長い間かけて培ってきた自力を発揮していると共に、いい意味で自信がついてきたんだなぁ、と感じる。よかった。
一人ひとりが自分のパートを懸命に歌っていてとってもすがすがしい。歌詞を字だけで読むのよりも、温かさやひたむきさを感じて、あらゆる人がエンパワーメントされる源はそのへんにあるのだろう。
そして誰もがカッコつけようとしていない。テレビ番組などで観ていても、ほとんど「素」で出演しているのではないか、と思うくらいの素直さとホンネトーク。その魅力がずっと変わらないのがうれしい。
何度も書くけれど、人を泣かせるのよりも微笑ませる方が難しい。「ズッコケ男道」を始めとするネアカな歌をリアルに歌える彼らはもっと評価されていい。
さらにアレンジのすばらしさが加わると、まさに最高だ。さすがロックを長年やって来た白井良明で、パワフルなリズムを中心にしたロック的なアレンジなのだが、短くおいしいサブメロディを駆使して、とてもきらびやかな曲に仕上げている。
特にサビから次の展開へつなぐメロディは、シンセなどをうまく組み合わせていて、サビよりも印象的ではないかと思うくらい、気持ちがいい。
イントロやつなぎまでインパクトがある曲作りは、スタッフも楽しくかつ緻密に制作している証拠で、曲に気合いがみなぎるはずだ。どっかーんと終わるエンディングも決まっている。
カップリングも相変わらず充実している。まず MASA+馬飼野康二のおなじみのコンビによる「愛に向かって」。
どうしてこう関ジャニ∞にぴったりの曲が作れるかと思うほど、詞も曲もはまっている。「滑って転んで七転びでも八起き!」が今回のコンセプト。
失敗には意味が必ずあり、愛のちからで未来を味方につける……。彼らの人生の蓄積を活かした曲だから、決してくさくならない。それどころかまた多くの人を励ます曲が誕生したことになる。
「完璧なんてつまらない ふぞろいだからカッコイイ」なんて歌詞はなかなか本気で歌えるものではない。この詞がまさに関ジャニ∞を体現しているからこそ、リアルに私たちの胸に「愛」が飛び込んでくるのだ。
通常盤だけの「Explosion」。アップテンポだが渋めのダンスチューン。とまどいながらも本物の愛を求める心情を歌い切り、彼らの歌のうまさがとてもよくわかる曲。
これから、さらに多彩な歌を歌っていってくれそうな予感をいだかせてくれるて、1段と成長のスピードが加速していることがわかる快唱だ。
ひとつだけ残念なこと。今回は大阪弁がほとんど出てこないこと。前作「関風ファイティング」からその傾向はあったのだけれど、やっぱり彼らの、元気でところどころハチャメチャな言葉を大阪弁でたっぷり聴ける曲も作ってほしい。人気が完全に全国区になったからであるのかもしれないが、それが彼らの原点でもあると思うから。
それにしても関ジャニ∞の、心からの笑顔からくり出されるとびっきりハッピーな音楽は、人間関係がこじれがちな現代になくてはならないものだ。その笑顔を絶やさずに着実に成長していってほしい。いや、もう、安心して見ていられるよねっ! 8→1