目からウロコのラクラク英語術
 
 
■日本語→助詞、英語→語順

 「伊藤式英語学習法」を使って、日本語と英語の言葉の仕組みの「違い」を説明していきましょう。

 例えば、「私」(I)、「ジョン」(John)、「知っている」(know)という3つの単語から、意味のある文を作ろうとするとき、

【日本語では】「私は、ジョンを知っている」と、新たな言葉「は」と「を」(これらを助詞と言います)をつけ加えて、単語と単語をつなげていきます。

 一方、【英語では】この日本語と同じ内容を表現しようと思ったら、単語の位置が重要になってきます。まず、「〜は」で表される単語を文の始めに置き、次に動作や状態(人が何をしていて、どんな様子か)を表す言葉……動詞(「知っている」の他、「食べる」「書く」「使う」など、日本語ではウ段の音で終わるもの)をもってきて、そのあとに「〜を」で表現される単語を置きます。つまり、“I know John.”となります。3つの定位置、すなわち……

に、ポン・ポン・ポンと単語を置いていって、単語と単語の関係を表していくのです。だから、日本語は助詞さえつけておけば、「私は、知っている。ジョンを」と言おうと「ジョンを、私は知っている」と言おうと、単語を並べる順序はある程度自由がききます。ただし、動詞は一応、一番最後に置かないと、なんとなく落ち着きが悪いようです。英語を日本語になおすとき、これはぜひ覚えておきたいルールです。英語では“know John I”などとは言えないわけですね。

■英語のリズムはポン・ポン・ポン

 結局、日本語の助詞と英語の単語の並べ方(語順)とは、どちらも同じく単語から文を作る基本ルールとなるわけです。このルールをまずしっかり練習して身につけることが大切だ、ということになります。特に、

のルールは、この形をしている3拍子の文が、英語では最も多いので、基本中の基本の形式ということになります。英語のリズムはポン・ポン・ポンなのです。実際に、英米人の頭の中では、いつも3つの大きな箱があって、そこにリズミカルに言葉を順番に放り込んでいく作業をしているという感じで、文を作って次々と口から発音しているようです。どんな複雑な英文でも、整理すると、半分以上はこのパターンになりますから、これに属する“I love you.”「私は、あなたを愛す」が英語の原点といっても言い過ぎではないでしょう。なお、「〜は」を表す位置にくる言葉を、動詞が働きかける対象・目的になるこということから「目的語」と呼びます。

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